【1954】日本工営 2019年度決算を読み解く

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【1954】日本工営、2019年度日本工営がどんな一年だったのか?売上は?利益は?現状はどんな状況?稼ぎ頭はなに?今どんなところに力を入れているの?今後どこに向かおうとしてるの?を決算短信で読み解きます。


・本レポートの内容
 ・1.損益計算書   2019年度は増収減益!

 ・2.貸借対照表   【悲報】当座比率が50%割れ!

 ・3.キャッシュフロー計算書 問題は営業キャッシュフロー!

 ・4.セグメント分析 収益は今後も堅調に推移?!

 ・5.経営指標   見るべきポイント

 ・6.業界平均比較  【悲報】自己資本比率以外平均以下!!

 ・7.19年5月期 総括

 ・8.20年5月期 業績予想

 ・9.今後の注目点


【1954】日本工営 2019年度決算レポートを読み解く



損益計算書

2019年度は増収減益!

単位:百万円

決算期 2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
売上高 81,839 81,865 101,338 106,023 108,589
営業利益 4,502 4,723 5,464 6,561 5,110
経常利益 5,477 4,365 5,958 6,721 5,584
当期純利益 4,261 1,823 3,288 4,555 3,318

2019年度は増収減益です。また、全体の売上成長率が高止まりした雰囲気があります。が、実際はどうなのか決算短信を読み解いていきましょう!



貸借対照表

【悲報】当座比率が50%割れ!

単位:百万円

決算期 2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
現預金 12,148 11,174 19,593 16,392 13,147
売掛金 16,802 17,715 18,090 26,214 29,938
商品 0 0 0 0 0
短期有価証券 0 0 0 0 0
流動資産 44,820 46,153 54,798 54,263 52,446
有形固定資産 24,525 24,561 24,535 27,624 29,882
無形固定資産 570 16,620 13,900 12,964 13,501
投資その他の資産 14,193 13,654 20,630 19,037 17,345
固定資産 39,289 54,836 59,067 59,626 60,728
資産合計 84,110 100,989 113,865 113,890 113,175
買掛金 4,539 5,105 4,012 4,164 5,037
未払金 0 0 0 0 0
短期借入金 164 16,266 1,760 2,050 2,082
流動負債 24,466 43,107 30,341 28,441 28,082
長期借入金 1,526 1,260 21,413 18,934 17,639
固定負債 6,662 6,421 28,650 25,999 24,886
負債合計 31,128 49,529 58,991 54,440 52,969
資本金 7,393 7,393 7,393 7,415 7,437
資本剰余金 6,209 6,209 7,240 6,466 6,488
利益剰余金 39,770 40,821 43,450 45,528 47,864
自己株式 -3,205 -3,020 -3,607 -1,180 -787
株主資本合計 50,167 51,403 54,477 58,229 61,003
その他の包括利益累計額合計 2,476 -280 30 133 -1,913
非支配株主持分 337 337 365 1,086 1,115
純資産合計 52,981 51,460 54,874 59,449 60,205

経営指標のところで詳しく見ていきますが、当座比率が50%を割っています。流動比率は186.8%と100%を超えていますが、この理由としては、売掛金の増加が起因しています。キャッシュ・フロー計算書でも言えることですが、売掛金の回収が遅れているのが不安要素として残ります。



キャッシュフロー計算書

問題は営業キャッシュフロー!

単位:百万円

決算期 2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
営業活動によるCF 881 379 6,376 -602 3,109
投資活動によるCF 2,702 -17,705 -4,172 977 -3,504
財務活動によるCF -745 15,199 4,846 -3,062 -1,936

当期純利益だけ見ればもう少し営業キャッシュフローが出てもいいかなと思っていますが、売上債権の増加が2,917百万円でマイナス要因となっています。2017年度決算の財務活動は収益向上の為ではなく、売掛金回収の補填としてという形に見えます。



セグメント分析

収益は今後も堅調に推移?!

セグメント別受注高 推移

単位:百万円

決算期 2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
コンサルタント国内事業 45,057 44,109 48,265 48,529 52,855
コンサルタント海外事業 28,889 25,936 41,573 26,716 28,482
電力エンジニアリング事業 13,595 14,716 14,087 15,943 15,411
都市空間事業 12,855 20,510
エネルギー事業 179 723
不動産賃貸事業
合計 87,573 84,827 117,442 104,350 118,085

セグメント別売上高 推移

単位:百万円

決算期 2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
コンサルタント国内事業 41,485 40,778 43,516 46,595 49,593
コンサルタント海外事業 20,174 22,070 24,419 28,889 24,928
電力エンジニアリング事業 17,857 17,522 17,577 15,762 16,531
都市空間事業 14,347 13,040 15,359
エネルギー事業 354 719
不動産賃貸事業 821 514 473 440 439
合計 81,839 81,865 101,338 106,023 108,589

セグメント売上高伸び率

2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
コンサルタント国内事業 -1.7% 6.7% 7.1% 6.4%
コンサルタント海外事業 9.4% 10.6% 18.3% -13.7%
電力エンジニアリング事業 -1.9% 0.3% -10.3% 4.9%
都市空間事業 -9.1% 17.8%
エネルギー事業 103.1%
不動産賃貸事業 -37.4% -8.0% -7.0% -0.2%
合計 0.0% 23.8% 4.6% 2.4%

セグメント利益 推移

単位:百万円

2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
コンサルタント国内事業 2,956 3,298 4,279 4,990
コンサルタント海外事業 1,156 1,887 2,649 841
電力エンジニアリング事業 3,048 2,683 1,873 2,089
都市空間事業 81 173 151
エネルギー事業 -18 -365
不動産賃貸事業 386 401 403 409
セグメント利益合計 7,546 8,350 9,359 8,115
全社費用 -2,823 -2,886 -2,798 -3,005
営業利益 4,502 4,723 5,464 6,561 5,110

セグメント利益率 推移

2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
コンサルタント国内事業 7.2% 7.6% 9.2% 10.1%
コンサルタント海外事業 5.2% 7.7% 9.2% 3.4%
電力エンジニアリング事業 17.4% 15.3% 11.9% 12.6%
都市空間事業 0.6% 1.3% 1.0%
エネルギー事業 -5.1% -50.8%
不動産賃貸事業 75.1% 84.8% 91.6% 93.2%
セグメント利益合計 9.3% 8.3% 8.9% 7.5%
営業利益 5.5% 5.8% 5.4% 6.2% 4.7%

セグメント別受注高と売上高と比較してみた時にコンサルタント海外事業が受注高は増加してますが、売上高は逆に減少しています。これは大型案件の契約が遅れたことによって、売上計上が間に合わなかったと思われます。なので収益基盤であるコンサルタント事業の陰りが見えてきたではなく、ちゃんと理由があってのことです。また、今後も国内・海外共に政府との連携によって事業環境は良好とのことですが、プロジェクトの進捗状況によるリスクはあるようです。電力エンジニアリング事業は「電力システム改革等により新たな事業機会と競争が生まれる」とのことで厳しい競争環境となることが予想されるとのことです。ここでうまくシェア獲得ができれば今後の収益基盤として大きく成長してくれるかもしれません。
続いてセグメント利益についてですが、利益率で大きく悪化しているのが、コンサルタント海外事業とエネルギー事業になります。コンサルタント海外事業は上記に記載したように大型案件の契約遅れの影響かと思われます。エネルギー事業は-50%を超えているのは心配ですが、投資段階とみて今後の経過に期待したいです。



経営指標

見るべきポイント
    ・・・・・・安全性分析一覧

収益性分析一覧

決算期 2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
売上高総利益率 26.6% 27.3% 30.5% 30.5% 30.4%
売上高営業利益率 5.5% 5.8% 5.4% 6.2% 4.7%
売上高経常利益率 6.7% 5.3% 5.9% 6.3% 5.1%
売上高当期純利益率 5.2% 2.2% 3.2% 4.3% 3.1%
売上高販管費率 21.1% 21.5% 25.1% 24.3% 25.6%
ROA 4.7% 5.5% 5.9% 4.9%
ROE 3.6% 6.2% 8.1% 5.6%

安全性分析一覧

決算期 2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
流動比率 183.2% 107.1% 180.6% 190.8% 186.8%
当座比率 49.7% 25.9% 64.6% 57.6% 46.8%
現預金月商比率 1.78 1.64 2.32 1.86 1.45
自己資本比率 62.6% 50.6% 47.9% 51.2% 52.2%
固定比率 78.3% 106.7% 108.4% 102.4% 99.5%
固定長期適合率 69.1% 94.8% 71.1% 70.8% 70.7%
営業キャッシュフロー 881 379 6,376 -602 3,109
投資キャッシュフロー 2,702 -17,705 -4,172 977 -3,504
財務キャッシュフロー -745 15,199 4,846 -3,062 -1,936

活動性分析一覧

決算期 2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
総資本回転率 0.88 0.94 0.93 0.96
総資本回転期間 415 388 392 380
固定資産回転率 1.74 1.78 1.79 1.80
売上債権回転率 4.74 5.66 4.79 3.87
売上債権回転期間 77 64 76 94
買入債権回転率 16.98 22.23 25.94 23.60
買入債権回転期間 21 16 14 15

生産性分析一覧

決算期 2015/6 2016/6 2017/6 2018/6 2019/6
一人当たり売上高 21.39 22.77 22.35 20.84
一人当たり経常利益 1.14 1.34 1.42 1.07
一人当たり当期利益 0.48 0.74 0.96 0.64

ROEとかは、あとで見ていくのでここで見て欲しいのは安全性分析です。自己資本比率は50%以上と高めではあるのですが、当座比率が50%を切っていて、危険水域というところまで来てるのではないでしょうか?早めに売上債権の回収をして当座比率をあげて欲しいものです。そうすることにより自己資本比率や他の指標も改善していくのではないでしょうか?



業界平均比較

【悲報】自己資本比率以外平均以下!!

上:日本工営 下:業界平均

決算年 2015 2016 2017 2018 2019
売上高成長率 0.03 23.79 4.62 2.42
4.24 8.79 6.61 44.89
営業利益成長率 4.91 15.69 20.08 -22.12
13.06 17.49 7.37 39.55
経常利益成長率 -20.30 36.49 12.81 -16.92
11.04 19.97 8.27 39.27
当期利益成長率 -57.22 80.36 38.53 -27.16
10.02 28.81 11.65 30.81
自己資本比率 62.59 50.62 47.87 50.97 52.21
33.74 33.30 33.47 33.66 34.46
ROE 3.51 6.23 8.07 5.65
8.93 10.82 11.10 11.30

ここでも【悲報】としましたが、自己資本比率以外は全て業界平均以下です。自己資本比率が高いからといって安全性が高いわけではありません。上述したように、安全性分析一覧では低い数字があるものもあったので、しっかりとした判断が必要となってきます。



19年6月期 総括

19/6 期決算は安全性の低さが出たのではないでしょうか。安全性は早急に改善して欲しい問題です。また、成長性の低さも業界平均と低いので、こちらも頭に入れとおくべきポイントとなります。今後世界経済が衰退していけば成長性は鈍化すると思われるので、対策も継続して見ていきたいです。



20年6月期 業績予想

2020/6期の業績予想は売上高127,700百万円(17.6%増)、営業利益5,800百万円(13.5%増)、経常利益6,200百万円、(11.0%増)、当期純利益3,600百万円(8.5%増)となっています。



今後の注目点

決算短信の今後の見通しを見てみると2019/6期を初年度として、中期経営計画を立てています。この中で5つの事業戦略を立てています。1.鉄道分野の生産体制強化、2.都市空間事業の海外展開、3.エネルギー事業の確立、4.コンサルティング事業での事業創生と海外展開、5.電力エンジニアリング事業での製品開発と海外展開となっています。2021/6期の目標として売上高1,400億円、営業利益126億円、営業利益率9.0%、ROE12.7%です。

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